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Seiichi MORIMOTO

 第6章「震災と専門職――看護の〈専門性〉をマッサージする」を読んでいる。妙に冒頭の説明に詳しくて、まあ西村先生のご専門だろうから熱が入っているのかもしれないが、他の章との温度差を感じずにはいられない。あまり著者の説明ばかりになると、対話の記録なのか何かの解説書なのか何なのかわからなくなるなと。

 西村先生はこの冒頭で専門職と看護師が被災地に残ってその職務にあたり続けたという〈美徳〉の関係について論じておられるのだけど、説得力に乏しく無理筋との印象をぬぐえない。

 たとえば、2011年9月1日に放送されたテレビ朝日の「報道ステーション」を指して「原発事故直後、福島県南相馬市のある病院では198人いたスタッフのほとんどが避難し、看護師は17人だけになってしまったという報道もあった」(236頁)という紹介から被災地に残って看護にあたり続けるという美徳の話につながっていくわけだけど、これって9割以上は非難しているわけだし、専門職ではない人と比べて優位に多いという実証的なデータはあるのだろうか。また、その理由が専門職としての美徳からであると確かめられる根拠はあるのだろうか。